第二章

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――――・・・ 父と母が 奥の部屋に消えてから 半刻ほどたった 最初は大きな物音や 2人の怒鳴り声が 聞こえてきたりしていたが 今は2人が部屋にいるのかすら 疑うくらいの静寂――・・・  「・・・だい・・・  じょーぶ・・・・・か・・な?」  「大丈夫。――・・・きっと・・・」 兄がわたしの不安を 取り除こうと 一生懸命笑みを見せる その歪んだ笑みからは 兄もなにかしらの 不安を抱いていることが 一目でわかる  「――・・・お兄・・・・」  ・・・――ぎゅっ―― 自分にいいかせるように 大丈夫だと呟いた 兄の姿をみたさくらは その不安を少しでも癒そうと そっと兄と手を繋ぐ .
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