14人が本棚に入れています
本棚に追加
「…わかった。なら手っ取り早く済ませよう」
「手伝ってくれるのか!」
今までの表情と打って変わって明るくなる狐を見て、一つ疑問を投げかけてみた。
「そんなに橙ってのが大事なのか?たかが式神だろ?」
「確かに式神だが、私にとっては大事な家族なんだっ」
「家族…ねぇ」
新しい煙草に火をつけ、思いっきり煙を空へと吐き出す。
「君には家族はいないのかい?」
「家族…か」
興味本位で聞いたことを、まさか自分に返ってくるとは思っていなかった妹紅は、しばらくの間何も語ることなくただ空を見上げるだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!