14人が本棚に入れています
本棚に追加
辺りを覆った光が次第に薄れ、狐の目の前に小さな女の子が座っていた。
「ちぇええええええええええええええん!」
「らんしゃまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
自分の式を呼びよせるなり、狐は叫びながら飛びついた。
「あーもうーやかましい…」
普段は動物の鳴き声すらしない竹林に2人の大きな声が木霊していた。
紅妹は逃げるように2人から離れ、遠巻きに眺める。
どうやら狐が何やら説教をしているようだった。
その式、おそらく猫の妖怪は涙を浮かべながら大きく何度も頷いている。
式と術者というより、その光景は子を叱る母のように見え、妹紅は苦笑いするしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!