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「玄関はそっちだ、あとは好きにしてくれ」
手ごろな岩に腰かけ、煙草に火を付ける。
「ん?君は一緒に入らないのかい?」
「私は何の用事もない。例えあったとしても絶対に入りたくないがな」
「…?よくわからないが、それでは行ってくる」
狐は式の手を引き永遠亭へと入っていく。
ふと式が立ち止り、妹紅へと振り返る。
「お姉ちゃん、案内してくれてありがとうっ!」
「…ふん、早く行ってこい」
唐突に真正面から送られた笑顔と感謝に、どう返していいものかわからずにそっぽを向くことしかできなかった。
2人が屋敷へと入って行ったのを見送り、空を見上げる。
「ありがとう…か」
「あら、率直な感謝の言葉は苦手?」
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