指きり

6/13
前へ
/14ページ
次へ
「ですが、私には不安なんです……その約束が確かなものなのか……だからこうしてお願いをしているのです……私と約束してくれませんか……」 「いいですよ、約束するくらいなら」 考えるより先に口が動いていた。僕はお人好しなのかもしれない。いきなり話しかけられて、意味の分からない話を聞かされ、意義のない約束を交わそうとしているのだ。 「そうですか……」 彼女が微笑んだように見えた。 いや、街灯の光のせいかもしれない。ただ、表情が変わったことだけは読み取れた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加