煙草

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「おい。毒ぅ~。小五で煙草は早過ぎんじゃねーか?」 大和田が話しかけてきた。 俺は体が動かなかった。目の前が真っ白になって何も話せなくなってしまった。 「俺の家はこの近くなんだ。よってけ!」 怒られるんだと思いながらも渋々言われるまま着いて行った。 五分ほどで大和田の住んでいるアパートに着いた。 「まぁ入れよ」 意外にも部屋は綺麗に片付けられていた。むしろこじゃれたセンスのある部屋だ。もっと意外だったのは、大和田のこの一言だった。 「灰皿あっから吸うんだったら吸っていいぞ」 「えっ?」 俺は耳を疑った。 「先生かわってんな。普通は怒ったり、注意したりするもんでしょ」 すると、大和田は悪そうな顔で笑いながらこう言った。 「普通はな。俺変わってるからな」 今まで学校の先生なんかクソつまんない人間しかいないと思ってたけど、この人は違う。なんていうか…おもしろい! この日から、俺の中で大和田という存在が特別になった。
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