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「ひいいぃぃ……!!」
何で……何でっ!!?
「待てよっ!!」
何で僕が狙われ……
耳をつんざく銃声。
そして足に生まれた行き過ぎた熱。
「あああ゙っ!!」
勢いで転んでしまった。
足を動かそうにも、すでに使い物にならない程すくんでいる。
そして恐怖の対処は、じょじょに近づいてきた。
「よぉ……賢吾……」
「井ノ田ぁ……」
座り込む垣 賢吾(男子7)は怯えた様子で茂みから現れた井ノ田 瞬(男子3)の名を呼んだ。
井ノ田の手には、煙りを吐くデザートイーグルが握られている。
大型のオートマ拳銃であるデザートイーグルが吐き出す弾丸を食らえば、掠っても傷は広い。
賢吾の足は既に赤い血で塗れていた。
「なんでだよぉ……井ノ田ぁ……」
「んぁ?」
「僕達、友達だろっ!!?」
「はぁぁぁ……賢吾」
井ノ田は長いため息を吐き、銃を構えた。
「これはそういうゲームなんだよ。いい加減割り切れ」
「ううっ……」
「つっても、うちわ少年じゃ無理だよなぁ」
井ノ田は賢吾の持っているうちわを見遣り、ニヤリと笑う。
「こんなクソ寒いのにうちわなんて貰っても使い道ねぇってのになぁ」
「あ、あ……」
「だからよぉ……」
井ノ田は銃を再三構え直し、引き金に力を込めた。
「さっさと退場させてやるよ」
「ひっ……」
刹那、デザートイーグルの銃口から火が吹いた。
男子7番 垣 賢吾
――死亡
『残り34人』
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