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俺は人生で2度目の契約書にサインした。1度目は千華と暮らすための部屋。そして2度目はその部屋から離れるために見つけたこの部屋。
「この後時間はあるかい?あるなら部屋の下見に行ってきなさい。地図を渡す。ここからそう遠くないから大地君一人でも行けるだろう」
「どうやって部屋に入ればいいんすか?」
「管理人に話をしておくよ。一緒にマンションを見て回るといい」
「分かりました」
「じゃこれを」
俺は男からマンションの地図を受け取ると立ち上がった。
「色々とありがとうございました。あの…、飯、美味かったっす。じゃ…」
俺は挨拶をすると不動産屋を後にし、渡された地図を片手にマンションへ向かった。
もう途方もなく歩く事もない。この手にはきっちりとした道筋がある。
「行ったか。今度は迷ったりせんだろ。にしても……、あれ(炒飯)冷凍だったんだがな…。今度は私も食べてみるかね」
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