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エレベーターが動きを止め、静かに扉が開かれた。
「えっと……、ここだよな…?」
俺は2・3度地図に書いてある部屋番を見て恐る恐るチャイムを鳴らした。
暫くして中から人が動く足音が聞こえてきた。
「はい?ああ、福山 大地君ですか?伴(ばん)さんから連絡は頂いています。
初めまして。管理人の黒井 祢孤(くろい ねこ)です」
出てきた男は細身の長身で左右の目が違った色をしていた。右が紫で左が青い。漫画みたいだな、と思いながらジロジロと見てしまった。
「珍しいでしょう?僕の目。生まれつきなんです」
「あ、あの…すみません…」
「構いませんよ。それではお部屋を見に行きましょうか。あ、僕の事はクロネコと呼んでください。皆さん僕をそう呼ぶんです。もちろん大地君が嫌でなければ…が、大前提ですがね」
「あ…俺は…別に……」
「そうですか」
クロネコさんはニッコリ微笑むと俺に背を向けて歩き出す。そして俺は少し間を開けて彼の後に続いた。
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