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21ΧΧ年
四月一日
午前九時三十分
喫茶店
“天秤”
若い茶髪の女性店員がゆっくりと、コーヒーをついでいる。
現在、この店は春休みに入っている。
だが、お得意さんや仲の良いものは、この店にいつものように入ってきて、コーヒーを頼める、
もちろん喫茶店なのでコーヒー以外にもちゃんとしたメニューはあるんだが、この店のコーヒーが美味しすぎるのか、
この店を知ってる人は、まず最初にコーヒーを飲む。
だから、休みの日は基本的に、コーヒーをいれておけばいい。
「ふぅ。落ち着きますねぇ」
休日でも、あくまで働きにきているのに、さすがと言うべきか
マイペースなその女性は満足気な表情で、
休日を楽しんでいます!という空気を思いっきり醸しだしている。
カランコロン。
それでも、自分が店員なのは忘れていなかったようで、
と、ドアの音に反応して当たり前のようにあいさつを
「いらっしゃいまぁっ!?」
できなかった。
「どうした?お化けでも見るような顔して。」と、入ってきたありえないほど白い髪のいや、銀色の髪の少年は言う
「か、か、帰ってきてたんですか?」店員は、明らかに慌てたようすで聞き返した。
「二週間旅行に行くと、しっかり伝えたと思っていたんだが、、、」と、当たり前だろと言わんばかりの表情をしながら続けて言う。
「今日で二週間だと思ったが、日にちを数えれないわけじゃないだろう?なにがあたんだ?」
その客は、まだ学生のような雰囲気のある少年なのだが、確信したのか鋭い目付きでニラんだ。
「な、なな何もないですよ、あっそっそうだ店長呼んで来ますね」と、その店員は目もとまらぬ速さで、店の二階に上がっていく。
それを見てその少年は
「チッ、逃げやがったなぁ。」と、ぼやきつつ同じように二階に上がっていく。
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