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バイトが終わり、帰宅してからというもの、落ち着かなくてずっと自分の部屋でウロウロしている。
手にはもちろん、あの紙切れ。
メールはすぐに送った方が良いのか、夜になってから送った方が良いのか……。
「梨乃~夜ご飯できたよー。」
階段の下から母親の声がする。
迷っているうちに、もう夜の7時になっていた。
そろそろお仕事も終わる時間だよね?
「よしっ!」
意を決して私はメール作成画面を開く。
《Sugarでアルバイトしている高橋梨乃と申します。今日はアドレスありがとうございます。また是非お店にいらしてください。あと、携帯番号は090ー………ですので、良ければ登録お願いします》
「えいっ!」
勢いで送ってその場に崩れ落ちた。
ドキドキが最高潮だ。
片桐さんはいつ返事をくれるだろうか。どんな内容が帰ってくるだろうか。
期待と不安が混在して、吐き気がしそうって位に気持ちが悪い。
1秒1秒が、すごく長く感じられる。
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