プロローグ

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朝目が覚めてカーテンを開けたら、今年初の雪がふっていた。 昨日の夜から降っていたのか、少し積もっている。 私の部屋は2階にあって、見晴らしが良く、窓越しに見る白く染められた景色は、 昨日までの景色とは別の世界のようだ。 その白い雪景色を見ていると、家の前の道路を一台の黒い車が走っていった。 私はその車を目で追って行く。 少し走った後、その車は近所の喫茶店で止まって、中からスーツを着た若い男の人が降りて来た。 私は知っている。 あの男の人は、あの喫茶店で、コーヒーとサンドイッチを頼むってこと。 それは、名前も知らないあの男の人の日課だから…。
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