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「に、人間!?
どうしてこんなトコに…」
ガチッ!!
金属音を鳴らして警官である事を示す、手錠でその真っ赤な手の手首を捕らえる。
警官モアの咄嗟の判断だ。
大体、こんな怪しい場所にいる事事態が
怪しいのだ。
確実に事件に関係している。
そうに違い無い。
モアは今捕えている者が犯人だと確信した。
困惑しているその怪しい人物に問う。
「何者だ!!」
「ご、ごめんなさいっ
つい夢中で気付かなくて……」
「私たち、猫を捕まえようとしただけなの」
男の子の声の後ろから、また幼さが残る声の女の子。
手錠を嵌められていないこの娘も
前へと一歩踏み出す。
…!
室内が明るんでいく。
そこにいたのは
怪しくも何ともない
無垢な少年と少女だった。
少年は両手を降参するように上げた。
「僕たち、その…ただの旅人です…」
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