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「シーグ様、敵の人相書を作成しますので正確に人相を教えて下さい」
シーグ様が倒れてしまう前に敵の姿を把握してしまおうと、私は店にあった紙とペンを拝借し、シーグ様に敵の特徴を尋ねます。
「そんな必要ない。悪魔だと言ったろ」
「悪魔のような人相と言いましても強面の人間は沢山ーー
「人間じゃない。"悪魔"だ」
ーーえ?」
思わず手にしたペンを落としてしまいます。
「えええええ!?」
まさかの本物?信じられません。えらいこっちゃです。
「そんな悪魔だなんて……」
悪魔なんて空想の産物だと思っていました。すでに人間がどうこう出来る話ではないのでは?
「安心しろ。他のは知らんが、俺様の見た二匹の悪魔は俺様の足下にも及ばないほど弱かった。それに片方の奴は寝小便の常習犯という過去も持っている」
……悪魔もおねしょするんですね。
「だからパパっと行ってパパっと捕まえてくる。その後悪魔も泣き出す地獄の拷問にかけてくれるわ」
「そんな!無茶ですよ」
口調こそいつものままですが、先程から抱えてる頭は高熱を持ち、意識を保つのもつらい筈。
「以前も倒れてしまわれたじゃないですか!?そのまま行くなんて無謀すぎます」
「無謀だと?奴隷の分際で俺様を見下すなどいい度胸だ。光の速さで成長する俺様は既に以前の俺様とは別人。この程度屁でもないわ」
そう言うとシーグ様はよろよろとした足取りで店の外に出て行ってしまいます。慌ててその後を追う私。
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