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魔導大家フェルナンデス家。世界でも屈指の魔導の名家であり、王国からも公爵の地位を与えられています。
フェルナンデス家が代々勝ち取ってきた領地は、王国でも最大の規模となり、それはフェルナンデス家当主を領主とするフェルナンデス公国として広く知られています。
そんなフェルナンデス家で、若くして当主の座に就いたのはシーグ・フェルナンデス様。この方です。
サラサラとした透き通るような銀髪と、どこまでも見透かすような黒の瞳を持つシーグ様は、驚くべきことにまだ少年と呼べる年齢です。
ですがそんな外見に惑わされてはいけません。
シーグ様はその真激な瞳の奥でどんな下らないことを考えているか分かりません。
今日も何を思ったのか街の中央広場に民衆を集め、自分は広場に建てられた演説台に立ち、徐々に集まってくる民衆をジッと見下ろしています。
シーグ様は基本的に何をするのか教えてくれません。私はシーグ様の後ろで静かに佇むのみ。
「よし、三千人集まった」
数えてたんですか?
「静粛にしろ愚民ども!俺様が来てやったぞぉぉぉ!」
いきなり叫びだすシーグ様。民衆もシーグ様の暴言に騒ぎだします。
(うおおおおお!)
(領主様ああああ!)
普通なら悪い方で騒がれそうなシーグ様の言葉に歓喜する民衆。
不本意ながらシーグ様は人気者です。
それはシーグ様が領主となった時から始まった好景気や、法律改善などで領民の暮らしが安定したから。
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