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「よく聞け愚民ども。今日をもって我がフェルナンデス公国は、異種族の受け入れを表明する!」
シーグ様の声に、先程までの騒ぎが嘘のように静まり返る広場。
「よってこれより、異種族に対して差別的態度をとった者は死ね!」
酷い言いようですがシーグ様が死ねと言えば本当に死刑になるのがこの国。領民に拒否権はなく従わない者は死刑か追放です。ですがシーグ様の人柄を知っている人々は、シーグ様が実際にそんなことをするのは極悪人だけと知っているので特に気にしていません。
ざわめきたつ民衆。それも当然で、理由は近年になって突然現れた幽鬼と呼ばれる魔族のお陰で異種族のイメージがグングン下がっているからです。
幽鬼は神出鬼没、残虐無比。幽霊族の特徴と鬼族の強さを合わせ持つふざけた魔族です。
幽霊族も鬼族も人間に対して極めて友好的です。しかし幽鬼の出現により、関係のない幽霊族や鬼族が虐殺の対象となり、それに付随して異種族の地位も危うい状態になっています。
幽霊族と鬼族がそうだったように(実際には幽鬼と幽霊族、鬼族はまったくの別物だが)他の異種族がいつ人間を襲うようになるか分からないと、民衆は異種族の受け入れに不安の色を見せています。
しかし民衆のことなど気にしないシーグ様は不満の残る様子の民衆に向かって高らかに言いました。
「俺様が法だ!」
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