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こうして新法『幽鬼以外の異種族に差別的態度をとった奴は死ね』が発令されました。
「笑いがとまらんな。これで世界中の異種族の女の子は俺様のものだ」
新法発令によりあせあせと働く自分の奴隷達を尻目に、シーグ様は満面の笑みを浮かべます。
「やっぱりそれが狙いだったんですね?」
奴隷No.1-ーメイド長ーーエリス
そう書かれた金の首輪を付けた私の言葉に、シーグ様は満面の笑みのまま振り返ります。
「ああ失念していた。俺様の奴隷にはまだ異種族の女の子がいなかったからな。早めに気付けてよかった」
そう言うシーグ様はこの世が救われたかのような笑みをふと止めると、私の金の首輪に触れてきました。
「ふむ、魔力が切れかかっているな。まだ少ないとはいえ奴隷も増えてきたし全員相手にするのも大変だからな、対策を考えなければ」
ちなみに現在奴隷の人数は三十人。シーグ様は百人の奴隷をもって御自分の理想郷を作ると日頃から豪語しています。
「よし、今夜俺様の部屋へ来い。いいな?」
「……はい」
思わず頬が赤くなってしまいます。こういうことは未だに慣れません。
シーグ様は奴隷全員に御自分の魔力を与え、有事の際にはその魔力を使ってそれを解決したり助けを呼んだりするように言いつけています。
魔導の心得がなくとも数種の魔導を発動出来る金の首輪を、奴隷全員に着用させ、さらに魔導の発動に必要な魔力を定期的に補充して下さいます。
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