第1話 ある領主の新法と、奮闘する奴隷達

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ただその補充方法が…… 性行為も立派な魔導的要素が含まれており、魔力補充においてはこの上ない儀式となる。 シーグ様の言葉は分かるんですが、どうにもこういうのは…… 性行為による魔力補充は肉体にのみ作用するもの。つまり首輪に魔力を補充するのに性行為は関係ないと知ったのはしばらく後のことでした。 ◆◇◆◇◆ 奴隷No.8-ーガーディアン-ーマリア 「マリア少し遊んでやろう」 奴隷達に仕事を押し付け、暇を持て余していたシーグ様はガーディアンの中で最も優秀なマリアを呼び止めると、マリアに向かって鞘にはまったままの剣を投げつけました。 マリアは剣を掴むと、あからさまに嫌そうな表情を浮かべ、シーグ様に向かって剣を投げ返しました。 「断る」 「おまっ!俺様の奴隷の分際で!」 マリアはこういう性格なんです。主人であるシーグ様に対しても素でいける、色んな意味で強いガーディアンです。ただマリアはガーディアンのくせに運動嫌いです。 「今日はアレの日だ。気が乗らない」 女の子の最強の断り文句を口にしたマリアでしたがそれは嘘だと私は知っていました。 「嘘だね」 それに無駄に観察眼の鋭いシーグ様に嘘は通用しません。マリア、面倒なのは分かりますがあからさまな舌打ちはやめなさい。 「俺様は奴隷全員のそういった事情を把握しているからな」 この変態!! 口には出しませんが侮蔑の視線で感情をぶつけます。
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