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「居場所は判ってる。三秒以内に出てこい」
シーグ様がそう言うなら本当なのでしょう。マリアもそれが分かっていたのかすんなり姿を現します。
「やはりバレていたか」
私の背後から。
「っ!マリア、びっくりさせないで下さい」
先程通ってきた中庭に続く通路から現れたマリアは奇襲が失敗したというのに平然としています。
「気配の消し方は悪くなかった……相手が俺様じゃなければな」
ニタリと年不相応な笑顔でシーグ様は言います。
「さあ、お仕置きの時間だ」
シーグ様の周りから突然這い上がる光の触手。それがマリアに向かって襲いかかります。
「甘い」
しかしマリアは私の背後にいる訳で、ご丁寧に瞬速の手技で私の足を縛ってから回避行動に移ったマリアの代わりに私に襲いかかる光の触手。
逃げることの出来ない私は簡単に捕らわれてしまい……
「って、シーグさまが操ってるのにどうして私を縛ってるんですか!?」
「黙れ!俺様の行動こそが正義だ!」
訳の分からない言い分で、私を縛る触手をうねうねと調整しだすシーグさま。しかしその隙をマリアが見逃す筈がありません。
「ナイスアシストだエリス」
私的にアシストしたつもりは微塵もありませんが、女の子を身代わりにするというシーグ様に限り極めて有効な手段をとったマリアは、光の触手の操作に夢中なシーグ様へ一直線に駆けていきます。このエロ餓鬼!
「甘いのはどっちだ?」
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