暗き深淵の微睡みで

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それでも、『それ』は諦めなかった。 何度失敗しても『根気』よく知識を伝え、何とか『意識を持つモノ』たちを残したいと『努力』した。 そんな事を数兆年と繰り返すうちに、『それ』の意識自体に変化が起き始める。 『意識を持つモノ』たちに声が届かない悲しみが積り、『それ』の意識の中に『絶望』が生まれたのだ。 同時に『孤独』を知り、集団で生きる『意識を持つモノ』たちへの『嫉妬』も生まれた。 しかし、『それ』は、それらの感情を振り払う様に、知識を能え続ける。 それほど努力する理由は、もう本人すら分からない。 それでも『それ』は、この『意識を持つモノ』たちを『救い』たかった。 数々の失敗を繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し……… 『それ』にとっても、気の遠くなる様な時間が経過した頃、遂に『それ』に最も近い『意識を持つモノ』たちが現れ始めた。 ・
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