─青い空に─

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「え…」 『ごめんなさい…』 君は涙を流す 俺は思考が止まる なんで? なんで? なんで? なんで? なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで なんで… 君なんだよ… 俺は神様を恨んだ 初恋の人が 告白する前に 余命を宣告されているなんて… こんな事があって良いんだろうか? いや… あってはいけない いけなかったんだ でも、あってしまった もう引き返せない 俺は受け止めるしかない… 受け止めたくないけど 受け止めるしかなかった そして、俺はそっと彼女を抱き寄せた 暖かい… ドックンドックンしている… でも1年後には冷たくなって動かなくなる それでも… 俺は覚悟を決めた… 彼女に告白をすると そして俺は君から少し離れ、君の目を見つめた 潤んだ綺麗な瞳 見れなくなってしまうかもしれない でも、これだけは後悔したくない だから、こぼれる涙を我慢して君を見つめる 「前から伝えたかった事があるんだ…」 『なに…?』 君も俺の話を聞くため涙を我慢していた 「俺は…、俺は…、 俺は君の事が好きだ… 大好きだ…」 君は更に涙を流す そして君の答えは 『うう… 私も貴方が大好き…でも、付き合えない…』 「なんで…」 君の答えに俺はたじろぐ 『だって…、だって… 私の寿命はあと1年だよ…? あと1年しかないのに付き合えないよ… きっと貴方を不幸にする…』 「不幸にはならない 絶対にだ 君も絶対幸せにしてみせる だから…、付き合ってくれ…」 『ダメだよ… 私にそんな権利ないの…』 「権利なんて関係ない」 『家族の人が…』 「家族も何も関係ない! ただ、俺は君が好きだ! 大好きなんだ! それ以外何もない! だから付き合ってくれないか…?」 俺は精一杯に気持ちを伝えた… すると、君は言った 『本当に良いの…?』 「良いんだ」 『余命1年でも?』 「良いんだ」 『こんな私でも?』 「良いんだ…」 『…うっ うああああん!!』 君は強く抱きついてきた 「よしよし…」 この日からだったよね… 君と付き合い始めたのは この時の俺は幸せだった 君はどうだったかな? *
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