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「入ってきてもいいぞ」
三人は恐る恐る部屋を覗き込む。――と、そこに居たのは……
「「「………昌浩?」」」
三人の女神将に囲まれた、儚げな美少女だった。
「どうだ、可愛いだろう? やはり若菜に似ているな……かなりの美人だ」
いや、実際には美少女ではなく昌浩なのだろうが、……あまりの変わりように紅蓮達は固まっている。
髪を下ろし薄紫色の着物を 身に纏う昌浩はどこからどう見ても美少女だ。
いや、美姫ともいえる。
しかも髪には、藤の花の髪飾りまで付けられており、唇には薄く赤い紅を塗っている。
「……え………本当に昌浩か?」
と、先に復活した物の怪が、美少女に変わった昌浩に恐る恐る問い掛ける。
「……………」
美少女――もとい、昌浩は顔を赤らめ頷いた。
(…可愛い!!あ~抱きしめたい!)
(…クッ、何だこの可愛い生き物は!!)
(……………可愛い)
その仕種に、物の怪達はまたも動かなくなった。
「…………さて、準備も出来たことだし、変態共は置いて早く晴明の所へ行くぞ」
「えっ!!」
「昌浩、先程も言ったがコレは仕事だ、わかってるんだろう?」
「~~~っ!」
昌浩は顔を真っ赤にしながら、晴明の部屋へと急ぐ。
(…絶対に直ぐに終わらせてやる!こんな格好いつまでもしてらんないよ!)
「「「……昌浩!」」」
足早に急ぐ昌浩を三人の闘将は慌てて後を追いかけた。
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