115人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
学校に行く途中、パトカーを二・三台程見た。
パトカーは私にとってとても懐かしい場所へと走って行った。
何となくその時妙な予感が頭を過った。
「……一樹。」
私は気が付くと思い出の場所へと走っていた。
向かう先はとある森林公園。
公園には私の過去が沢山詰まっている。
私はあの頃を荒らされているような気がしてどうしようもなくなっていた。
心臓が痛い。
痛いと言うよりかは切ない。
森林公園の前には時遅く沢山の人だかりができていた。
その中には勿論私の家の近くに住む人いた。
「あら、歩香ちゃんお早よう。」
優しげな表情と丸みを帯びた体付きのおばさんが私に話し掛ける。
このおばさんはウチの近くに住んでいる。
「お早よう御座居ます。何か人集り出来てますけれど何かあったんですか??」
私は首を傾げてみせる。するとおばさんは妙な表情を浮かべて囁いた。
「実はねぇ、人の骨が見つかったみたいなんだよ…。」
「人の骨?どういう事ですか?」
私は焦りを隠しながら首を傾げてみせる。するとおばさんはこういった。
「誰かがね、殺されて埋められたかも知んないんだよ。」
「そうなんですか?」
私は少し冷たく答えた。
最初のコメントを投稿しよう!