Ⅳ.残骸

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私と一樹は泣き止んでから降りしきる雨の中で濡れた地面を手で掘り返した。 お互い終始無言でただ掘り続けた。 丁度ウサギが隠せる位の穴を掘り終えた所で一樹はリュックから既に死後硬直を始めたウサギの残骸を取り出した。 そしてそれを穴の中に埋めると近くの木の枝を折り、一樹が家から持ってきた輪ゴムで十字架を作り其処に刺した。 今回の十字架はかなり大きめに作った。 土の膨らみの中心に十字架を差し込んだ時、少しグニャリとしたモノを刺したのを感じた。 その感覚を感じた時、一樹はフッと微笑んで深く深呼吸した。 一樹は辺りを見回して呟いた。 「……此処は余り人がいないんだね。」 「うん……お化け出るって噂あるから………。」 一樹は私を見て言った。 「じゃあ、今度から此処で葬式ごっこをしよう。此処は僕と歩香ちゃんの墓場だよ!!」 一樹は無邪気に笑う。私はこんな一樹を初めて見た。 「そうだね。二人だけの墓場だね!!」 私と一樹は同罪だ。 私が嘘を吐いて一樹がウサギを殺した事を隠滅した。 もう戻れないだろう。帰れないだろう。 けれど、何か刺激的なモノを求めていた私は罪悪感の中に快楽を見つけていた。
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