バリクパパン沖海戦

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オランダ軍爆撃機の爆撃も上陸作戦の阻止よりも、日本軍占領後に沿岸の石油精製施設を使用させないために破壊が主眼がおかれていた。 もはや、連合軍側でもバリクパパンの防衛は諦めていたように思われる。 日本軍側の将兵も、そのあたりの空気を肌で感じていたのだろう。 「もはや、敵の攻撃も峠を越した」と、そんな楽観的な空気があった。 しかし、まだ諦めずに闘志を燃やす者がいた。 バリクパパンの間近にまで忍び寄った、タルボット中佐麾下の第59駆逐艦部隊は、オランダ軍の航空攻撃終了直後に司令部からの突撃命令を受けて、湾内に突入した。 沿岸の石油精製施設や輸送船が火災を起こし湾内には火災煙が漂っていたのが、タルボット艦隊には幸いした。 また、同時に泊地に侵入していたオランダ軍潜水艦『Kー18』が魚雷を発射して輸送船を撃沈、これにより泊地内にはさらに混乱して接近が容易になった。 様々な要因もあり、タルボット艦隊は攻撃をうける事もなく、易々と魚雷の射点に達した。 「敵艦4隻発見!」 哨戒艇の見張員が絶叫したが、既にタルボット艦隊は停泊中の輸送船団に魚雷を発射していた。 画像は、オランダ海軍潜水艦『Kー18』image=313346631.jpg
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