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ジャドは注射器に封入された液体を全て体内に注入し終えると、首筋から針を抜き、注射器を投げ捨てた。
「残念だが遊んでいる時間は無い。今回は最初から本気で行かせてもらうぞ?」
「フン、自分だけが強くなったつもりか?」
「何?」
レオンは腰のポーチから左手で小さな注射器を取り出した。
「その力はもうお前だけのものじゃねぇんだよ!」
レオンが手にした注射器を目に向けたジャドは、顔から不気味な笑みを消し、唖然とした表情を露にした。
「それは、プロジェクト・ラプターズ!?馬鹿な!何故お前がそれを……!?まさか、ノイベルグが……!?」
「今回限りだ!研究費の捻出に苦労する科学者の弱味につけこんだ罪は重いぞ、ジャド!この悪魔の研究は今日で終わりだ!!」
そう叫んだレオンは、左手に持った注射器の針を首筋に射し、封入された透明の液体を体内に注入し始めた。
注射器の針の内部を伝ってレオンの首筋に注入された液体は、血管へと流れ込み、血流に乗ってあっという間に全身を回りだす。
脳内の中枢神経では、無数のシナプスから大量の神経伝達物質や電流イオンが一気に放出され、シナプス間を繋ぐ様に神経全体を光の早さで駆け巡り出した。
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