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その頃、地下施設へと続く炭坑の入り口の前では、クリフトとレミーの間で激しい格闘戦が繰り広げられていた。
クリフトは鋭い気合いと共に、右上段廻し蹴りを放った。
「せぇいやぁあああっ!!」
レミーは左腕を頭の高さに上げ、クリフトの重い蹴りを受け止めたが、その衝撃で体が右に傾き、険しい表情を浮かべる。
「くっ……!」
さらに、クリフトが左右の正拳突きや中段前蹴り、中段廻し蹴りや下段廻し蹴りを連続で放つと、レミーは後ろへ徐々に下がりながら、クリフトの攻撃を両手や両脚で受け流していく。
(何と重い蹴りだ……パンチにもかなりのパワーがある。この男の間合いで戦うのは危険だな)
レミーは頭の中でそう分析しながら、クリフトの左中段廻し蹴りを右膝と右腕で受け止める。
すると、クリフトは左足を下ろしながら前へ踏み込み、レミーの顔面目掛けて右正拳突きを繰り出した。
「せぇいやぁあああっ!!」
しかし、レミーは開いた右手を顔の前に構えながら、左手を前に向かって真っ直ぐ伸ばしたロングガードでクリフトの右正拳突きを防ぐと、同時に左インローキックを放った。
レミーの左インローキックがクリフトの左内膝を横から捉えると、鞭の如く素早く打ち付けられた様なその衝撃で、クリフトの動きは一瞬止まる。
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