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「そうしたいところだが、このまま炭坑の入り口まで後退したら、地下へ潜入した作戦部の奴等を撤退させられなくなる!おまけに、さっきからクリフト中佐と通信が繋がらない!これ以上下がったら、余計状況が悪くなるのは必至だ!」
「ちくしょう!何かこの状況を打開する手は無いのか!?人数はこっちより敵の方が多い!しかも、向こうは正規軍みたいに数でごり押ししてきやがる!これじゃあ、いったいどっちがゲリラなのかわからねぇじゃねぇか!」
若い白人男性兵士の言葉を聞くと、中年の白人男性兵士は突然眉をひそめた。
「正規軍……ゲリラ……」
そして、中年の白人男性兵士は何かを閃いたかの様に、ハッと目を見開いた。
「そうか!ゲリラ戦だ!あいつらは部隊を密集させたまま固まって動いてる!分断して少しずつ兵力を消耗させれば、俺達だけで勝てる!」
中年の白人男性兵士は、早速左耳に装着したブルートゥースに左手を当てた。
「第2教育小隊から第1教育小隊へ!俺達が敵を引き付ける!奴等の側面に回り込めるか!?」
通信を受け取った黒髪のメスティーソの若い男性兵士はきょとんとした表情を浮かべ、ゲリラ達の激しい銃撃を木の陰に隠れてやり過ごしながら、左手をブルートゥースに当てていた。
「えっ!?まあ、援護してもらえるなら出来ると思うけど、そっちは大丈夫なのか!?」
「多分な!お互い上手くやれば何とかなる!そっちは頼んだぞ!」
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