昼休みの変人

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「いやぁ、屋上で食べる弁当は本当にうまい。そう思うだろ?」 「…………はぁ」  ……この人、大丈夫か? この僕の隣で飯食って笑える人なんてそういないだろうし、実際見たこともない。  まぁ、そう何回もあっても困るけど。 「卵焼き、食うか? うまいぞ、甘くて」 「……すみません、僕甘いのだめなんです」  僕がそう言えば、彼は気にする様子もなく卵焼きを口に運んだ。  なんなんだ、この人は……。 「なぁ、君。俺の名前は山田太郎というんだが」 「……嘘でしょう」 「おぉ? バレたか。本名は佐藤花子と言うのだよ。でだな、この名で芸能界にデビューしたいと思うんだが、君はどう思う」  僕が、あんたは男だろとつっこむ間もなく次から次から話題を変える。ついていけない。  ふと気がついてみれば、既に彼の話はスッポンへと移っていた。間に一体何があったのか。 「あ、そうそう。今日は、君に言うことがあって来たのだよ」
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