昼休みの変人

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「手始めに生徒会長になって、校則を俺に有利なようにかえる。そして生徒を統制して、俺に毎日違うネクタイを上納させるんだ」  ……あ、馬鹿なんだ、この人。  真剣な顔をして話す先輩とは反対に、僕のほうは笑えてきた。ふざけているのかと思ったが、その目には強い光が宿っている。 「なんでネクタイなんですか……」 「俺はネクタイフェチなんだ」 「……気持ち悪いんですが」 「そうか?」  先輩が突然立ち上がった。フェンスがまた激しく揺れて、僕もまた縮こまった。  空になった弁当箱を床に放り投げ、弱々しいフェンスをがっしりと掴む。揺れるフェンスを見ていると、冷や汗が出るからやめてほしい。 「俺と一緒に学校を征服しよう」 「え、僕ですか」 「この話をして、呆れなかったのは君だけだ」 「そうなんですか……」  ……そうだとしたら、相当不名誉なんだが。逃げることもできず、阿呆なことを本気で考えている先輩をヒキめに見た。  だから、と先輩は続ける。 「自殺なんてやめて、副会長になろう」
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