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Scarlet
その両腕に抱かれて
微睡みながら枯れたい
残りの生命と引き替えにでも
貴方と過ごす一日が欲しい
名前を呼んで
髪を撫でて
其れから唇を重ねて
夜の間中抱かれながら
咲いて居たいから
朝など来ないで
帰って行く背中を見送りたくなどないから
朝日が登ると
私の心が翳ってしまうから…
ねぇ
もっときつく抱き締めて
もっと激しくキスをして
『愛してる』と言って
『必要だ』と言って
…嘘でも良いから
帰って行った貴方の温もりを抱き締めながら
シーツの波間に身を委ねて次に会える夜を待つわ…
悲しいくらい愛しい
居心地が良くて歯痒い
誰かに負い目など感じはしないわ
欲しい気持ちに正直なだけ
話を聞いて
目を逸らさないで
上辺だけで語らないで
気持ちは何時も言えないまま
良い女を演じる
報われなくても
必要な時に私の全てをあげるわ
結ばれなくても
嘘でも傍に居てくれれば其れで…
ねぇ
もっと深く傷つけて
もっと痛い絆を頂戴
愛しているわ
溺れて居たいの
…此れが夢でも
帰り際に少し躊躇うフリをして抱き締めて欲しい
シーツの波間で余韻に浸って次の甘い夜を待つわ…
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