いち.風が吹いた日のできごと

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「晩ご飯、もう食べたか?」 苦し紛れに聞く和馬。 美羽は布団に入ったまま首を横に振った。 「お粥でも作るか、卵とかあるか?」 「……ある、けど…」 「よし、せっかくだから作ってやるよ」 そう言うと、待ってろよ、とだけ残し、和馬は階段を下りていく。 「……あ…」 美羽はそんな和馬の背中に手を伸ばすが、届きはしない。 「…………」 バサッ、と美羽は頭まで布団をかぶり、ぼそりと小さく呟いた。 「……そんなことより…、一緒に居て欲しい…」 その声は、もちろん和馬には届かない。
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