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「晩ご飯、もう食べたか?」
苦し紛れに聞く和馬。
美羽は布団に入ったまま首を横に振った。
「お粥でも作るか、卵とかあるか?」
「……ある、けど…」
「よし、せっかくだから作ってやるよ」
そう言うと、待ってろよ、とだけ残し、和馬は階段を下りていく。
「……あ…」
美羽はそんな和馬の背中に手を伸ばすが、届きはしない。
「…………」
バサッ、と美羽は頭まで布団をかぶり、ぼそりと小さく呟いた。
「……そんなことより…、一緒に居て欲しい…」
その声は、もちろん和馬には届かない。
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