いち.風が吹いた日のできごと

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「一応連絡くらいはしとくか……?」 そう呟き、携帯電話を取り出す。 慣れた手つきで、今から行っても大丈夫か?と言うような内容のメールを送信。 「このまま真っ直ぐ行って…と」 携帯電話が震える。 返信が来たようだ。 「…………ん?」 和馬は返信されたメールを見てみるが、そこにはただ文字を並べただけの文があった。 「いか…み…、なんだこりゃ」 美羽からの返信であることは確実なのだが、だからこそおかしい。 首をかしげる和馬の目の前には、見慣れた一軒家があった。 「よし、ここだったよな」 家の中から漏れだしたピンポーンと軽い音が、薄暗くなってきた空に響いた。
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