プロローグ

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『号外、王族途絶える。  先月十三日、王を始め王族七名が崩御された。  執権ガニテ・シュライン様の発表によると死因は伝染病であり、側近や近衛兵たちも重症者や死者がでている。  この状況で王位継承者のニンセヌス・キルケゴール様となるが、現在行方不明であるため事実上王家は途絶えている。 シュライン様はこれを契機に、新憲法の下新たな指導体制への移行を宣言なされました。詳しくは二週間後の発表となります……』 (六月十五日付け 日刊ララアクシエント新時事新聞より抜粋) 『本章では異形を学術的に紹介していく。 〈中略〉 ……異形への見方は二つある。 一般的に、異形はその容姿から邪悪な存在とされる。多くの人々は、その姿を一目見るだけで怖気付いてしまう。しかし一部の人間、特に賞金稼ぎ達は異形が金の塊に見えるそうだ。 異形の心臓は、加工すると万能薬となる。生のままであればさらに効果が高くなる。しかし独特の腐敗臭は、生であれば強烈であり、緊急でない限り使うことはない。
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