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「ようこそ、ロングゲートへ。何かご入用ですか?」
レイナはゴーグルを取り、口を覆っていたスカーフを下ろした。しかし頭に巻いたターバンは取らなかった。
「砂の洗浄だけでやってくれ」
腰巾着から銅貨を一枚渡した。男はそれを受け取ると恭しく一礼した。
バイクの荷台の箱には、砂漠で野宿するための道具が一通り入っそして左手で茶色く汚れた袋を掴んだ。僅かに腐敗臭が漂った。
エレベーターで街の上層階に上がった。普通、街は地面の上に立てられるが、このロングゲート市は国内でも特徴的なつくりをしている。
上下二層から成り、下層では食品を工場生産している。無数の電灯で野菜を育て、街から出る生ごみで家畜を養う。大抵の街は食品を自給自足しているが、工業や農業に特化した街も多くある。
いにしえの進んだ技術が生きている街だった。
エレベーターの扉が開くと、そこは活気に満ちた市場だった。屋台には野菜や干し肉、干し魚が並び、品定めをする客達が大勢いた。
レイナはとりあえず昼食を取ることにした。
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