踏み外した脚

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脚が地に着かない、そんなふうに例えればいいのか。淡黒く鈍いものにすんなりと足元をすくわれ、ゆっくりと暗くぬるい水中深く落ちていく現状に私は何もしようとは思わなかった。 ただそれに流され、辺りが暗く染まっていく今に楽さを感じていた。 嫌なものがだんだんと見えなくなって行くのだからしかたがなかった。
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