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「ああ、そうだな。彼女は目が見えない。・・・全盲だ。光さえ感じないらしい」
「やっぱりそうだったのか」
予想していた答えであったのに、私は愕然としていた。
目の前が一瞬見えなくなった。
これは決してなにかの例えではなく、本当に目の前が真っ暗になったのだ。
私は暗闇の中で神谷恵の姿を思い浮かべた。
彼女に出会ってからまだ2日と経っていないのに、その残像ははっきりと私の目に焼き付いている。
その姿はとても美しくて、私の記憶の中の想像物であるのに、私はその残像に見とれていた。
しかし、彼女は僕の知らない“闇”を持っていたんだ。
盲目であった事はそれなりに、私にとって大きな事実だが、今最も
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