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神谷は不思議に思う。一体何故、周りはこの石版に気付かないのだろう? と。
神谷は辺りを見渡した。
ケータイをいじっている若者、新聞を読んでいる中年のおじさん、うたた寝している坊主頭の会社員。
これだから誰も気付かなかったのだ。
恐る恐る、神谷はその石版に近付く。
すると、神谷はあることに気付く。それは石版がある所だけ、空間、いや、雰囲気が違うのだ。
神谷は躊躇いがちに石版を触る。
電車のドアが閉まった。
神谷は素早く石版を拾い、素早く上の荷物置き場に投げ入れる。
その時、電車がガタンと揺れた。電車が動き出したのだ。
神谷は驚き、席に座ってため息をつく。
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