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「フリオニール。汲んできたよ…ってあれ?」
「あぁ。有難う。ってティナ?どうかしたのか?」
水を受け取ったフリオニールの横にはティーダでもセシルでもなく孤高の獅子、スコールの姿があった。
「スコール…バッツ達と手合わせしてなかったっけ?」
ティナは数分前の記憶の糸を辿りながらスコールに聞いた。
「…バッツがフリオニールを連れてこいと言ったからな。」
「俺を?どうしてだ?」
スコールはここにきてそう時間が経っていなかったらしい。フリオニールは驚いた風に話しだした。
「…俺が相手じゃ勝てないと言われてな。」
…言い換えればフリオニールには勝るというバッツとティーダの意図が読み取れた。ティナは苦笑を浮かべフリオニールを見やった。いくら優しいフリオニールといえども仲間から簡単に勝てる発言をされれば怒るのではないかと不安になったからだ。
「あははは!!バッツも言ってくれるなぁ。」
いきなり笑いだしたフリオニールにティナは固まってしまった。何故なら明らかにフリオニールの後ろに黒いものが宿っていたからだ。スコールもその黒い気配に気付き一歩後退った。
「後でその言葉を訂正させてやる…」
笑いをピタリと止めたフリオニールがぼそりと呟いた。多分フリオニールは誰にも聞こえないように呟いたつもりらしいがその場にいたスコールとティナには筒抜けだった。ティナもスコールと同じく一歩後退った。固まった笑みを浮かべて。
「ティナ?どうかしたのか?スコールも固まって…」
「「いや、なんでもない」」
珍しく二人はハモッた。スコールがこれ以上話を続けたら自分に被害がおよぶと思ったのか、話をすり替えた。
「…フリオニール、あんたは花を世界中に咲かせるのが夢なのか?」
「スコール!!なんで知ってるんだ?」
フリオニールは驚きに目を丸めスコールに答えを求めた。ティナもスコールが知っている ことに驚きを隠せなかった。
フリオニールの「夢」について知っているのは共に旅を続けていたティーダとセシル、クラウド。そしてクラウドに夢の話をされフリオニールと同じ夢を見ているティナ。この4人だけのハズだった。
「ティーダが…教えてくれ…た。」
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