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スコールがフリオニールにその一言を告げた瞬間、場の空気は一気に冷たくなった。スコールはしまった。といった顔をし、ティーダをフォローすべく口を開いた時、誰のものかも解らないくらい冷たく低い声がした。
「ティーダか……ファザコンの分際で俺を童貞呼ばわりしやがって…」
明らかに私情が混ざっているような気もするが。フリオニールの表情は驚きから黒いものへと一変した。
(スコール!!)
(す、すまない…)
ティナが焦りと怒りの混じった声でヒソヒソとスコールを叱咤した。スコールはティナに怒られ少し表情を曇らせた。
「え、え~とスコール!!な、なんでそんな事をいきなり聞くの!!?」
「えっ!!?あ…す、素晴らしい夢だと思ってな!!!」
目に解るくらいに二人は狼狽えギスギスとした会話のキャッチボールを続けてフリオニールを落ち着かせようとした。それが吉とでたのかフリオニールはいつものやんわりとした笑みを浮かべた。
「素晴らしい夢…か。有難う。スコール」
「い、いや。」
スコールはフリオニールの表情が元に戻ってもおどおどとしていた。そんなスコールをフォローすべくティナが口を開いた。
「私も素晴らしい夢だと思うわ。フリオニール。頑張ってね」
「あぁ、もちろんさ!!」
ようやく表情の戻ったフリオニールにティナとスコールは安心した。
「…世界が花でいっぱいになって国のトップの気が緩んだ所でお前達が奇襲をかけて、国の政権を握るんだろ?」
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