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少年は驚いて機械から目線を外した。
「娘さん、居たんですか?」
「まあな」
それ以上は追求せず、また男が自ら話すことはなかった。
長い沈黙が続き、突然、少年は機械を軽々と抱き上げた。
「帰りましょうよ。ここにはもう、用はないですし」
白い歯を見せ、歩き出した。
「…そうだな」
男は今まで居た場所に向かって深く一礼し、少年の後を追った。
彼らが祈りを捧げた墓標には、ある博士の名前が掘られていた。
彼は後に、より人間「らしい」アンドロイドを作ったとして、世界的に有名な人物となるのであった。
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