テレポーター

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僕は昔から、奇妙な能力を持っていた。 その能力は便利であるが、時に危険を及ぼすこともある。 例えばそう…その所為で今、僕は絶望的な状況にいるのだった。 コンクリートの窓もない四角い部屋で、小型の銃を持った男に囲まれている。 空気は張り詰めていて、僕がもし指を一ミリでも動かせば、命はないだろう。 まさに危機的状況。 ここで人生が終わる確率百パーセント。 頬を嫌な汗が伝う。 僕はゆっくり目を閉じて、こめかみに意識を集中させる。 (お願いだ、瞬間移動してくれ…!) 強く念じるが、一秒二秒と時は過ぎていく。 男がゆっくり引き金を引いていく気配がした。 と同時に、キィンと耳鳴りがして、僕の意識は闇へと消えた。
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