†第一節†

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 リン。 「鈴の音色を聞いて。その音色をどうするかは……あなた自身だから」  少女は涙で濡れた顔を、不思議そうに鈴子様に向けた。  私は手を差し出し、少女を立たせた。  ようやく我に返ったのか、少女は恥ずかしそうに涙を拭いお代を払おうとした。  しかし、鈴子様がそれを断った。  いつも、そうだ。 「これは、私の趣味でやっているようなものだから」  私は扉を開いて、少女を見送る。  少女は私達に「ありがとうございました」と頭を下げて、扉をくぐった。 「頑張ってね」  いつも、鈴子様が最後に言う台詞だ。  この台詞を聞くたび、不思議と心に光が点るような感じがする。  青い鈴は、本当に小さくひとつ鳴った。  それは、まるで希望のような音だった。
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