―序章―

3/15
前へ
/122ページ
次へ
そう、母が私を嫌うのは、背中に片方だけ白い翼が生えているから。 私は、その日から毎晩、母の嘆く姿を見た。 何度、…両方の翼があったらと思っただろう。 鳥のように、空を飛んで両親の前から私が消えれたらと…。 5歳になったころ、あることに気づく。 夜、曇り一つなく、月が出ているときにだけ、翼が消えるということに。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加