何よりの…

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宝物自慢大会に大興奮のピクシーをなだめて環と別れた亮は狗狼のもとへと向かう。 緋桐狗狼とはお互い、トウキョウの各地で見つけた変わった食べ物など差し入れし合う間柄で、訪問するのももう幾度目であろうか。 急な訪問にも嫌な顔をせずに迎えてもらい、亮は狗狼と召還されていたロキに挨拶をする。 狗狼は任務でも、自宅でもフォーマルなスタイルで白かと間違えてしまいそうな灰色の髪の毛と深緑色の瞳を持った細身の青年である。亮と同じく銃を戦闘に使うのだが、その戦い方は全く異なり召還した悪魔との連携攻撃がとても見事で亮はその技をいつか盗もうとチェックしている。 「どうしたのー?環さんも絡んでるって珍しいよね?任務?」 「違うの~今日ね、ウエノで変わったのを見つけて狗狼さんにも見てもらおうかと思って。」 「ウエノ?すっごい高く積みあがったチョコレートとか?」 「いや、それアメ横名物だよね…」 環に話したように狗狼へも説明をし、ソフトが作れるか相談を持ちかける。 狗狼はハードを手にとり、口調は柔らかなものだが真剣な様子で状態を見ている。 「亮さんさ。」 「うん?」 「これ、預かっても大丈夫?」 「いいよ~いっぱいあるから。少し調べる?」 「うん、解体してみないとなんともいえないけど、そんなに難しい仕組みではないように見えるんだよね。」 「おおおおお?それっていいお返事な感じかな?」 あまり感情が出ない人物なので、断られる事も考えていた亮は両手を上げ万歳をして喜んでいる。 そこに居合わせた魔王ロキがひょいと口を挟む。 「そんな事が嬉しいのか?おかしなニンゲンだな。」 「煩いぞ、僕の客人に失礼を言うな。」 「まぁまぁ、亮は嬉しいのよ~魔王サマにはわからないだろうけどもね。」 「アタシも嬉しいよー?魔王サマはマスターが喜ぶ事、嬉しくないの?」 「オレには興味ないな。契約が全てだ。オマエのような低級と一緒にするな。」 「アタシは低級だけど、契約してなくても亮といるもーん。」 あっかんべー と舌をペロリと出してピクシーはさすがに魔王が怖いのか急いでCOMPへ戻ってしまった。 残された場には、少々重たい空気が流れる。
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