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「え!これだけではないんですか?パーツ?!」
「そうです、これだけでは何もできませんね。コントローラーと、モニターに繋ぐコードとソフトがないとゲームはできませんよ?」
くすりと亮の吹き出したコーヒーをおしぼりで軽く拭きながら環は説明を付け足す。
「ふぅむ…そうですか…いや~いっぱい拾ったので何かできないかなぁと思ったんですよ~」
「何か とは?」
「スクールにいる子供達にあげるプレゼントを探してまして、今流通している物は抵抗が…、せっかくなら崩壊前の何か面白いものでもーと。」
「亮さんらしいですねぇ。でも実際問題これだけではどうにもできないですね。確かに今の子供達に娯楽的なものはまったくないのでこういった物があれば喜ぶでしょうけれども…」
ハードだけではどうにもならないと、環も少し残念そうだ。
「あぁ、こういった物のソフトなど…狗狼さんが作れるかもしれませんよ?先日ジャンクでマシンなど作成しておりましたから。
一度相談されてみてはいかがでしょう?」
何度か任務で一緒になった狗狼の名前が環の口から出た。
相棒の魔王ロキがとても印象的な男性で、亮とは主に食べ物や飲み物の話で盛り上がる。
本人は普通の人間とは異なる体質をもっているようなのだが、そんな事は亮にとって瑣末な問題で、大事な事は波長であった。
「へー!狗狼さんがそういう事に長けている方とは…」
「亮さん…何度もチームで一緒してましたよ…ね?」
「してましたねぇ~でも会話のほとんどは食べ物の話でした…」
「ふふ…その気楽さであの任務に取り組めるというのは心強いですね。」
「いや…環さんに言われるのはちょっと恥ずかしいんですけども…」
「そうですか?」
穏やかにお茶を飲み、狗狼へのアポイントも取り世間話などしているとピクシーがCOMPから出たいと言い出すので召還をした。
「環さーん!こんにちわぁ!」
「あら、お久しぶりです。お元気でしたか?」
「うん!今日はこの前約束した宝物をちゃんと持ってきたのー!」
そうですかと笑う環にピクシーは得意げにバッグからあれこれと取り出しひとつひとつの説明など始める。
環も嫌な顔をせず頷きながら話を聞き、悪戯ランタンを召還し喫茶店の一角はちょっとした宴会状態になってしまった。
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