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そして夜が明け火曜日、俺はケータイのアラームで起こされ顔を洗い、朝飯を食って、歯を磨いて、制服に着替えて、家を出た。
勿論ギターを担いで。
駅の改札口に行くと先に裕二と由香が待っていた。
登校の時も由香と行く事になってる。
すると由香は眉を吊り上げさらに俺を睨んでいた。
「亮、遅い!何分待ったと思うの!アンタを待ってる時に電車三本乗り過ごしたじゃないの!」
だったら勝手に行けばいいじゃねえか。それにまだ次の電車に乗っても学校に着くのはホームルームの二十分前には着けるぜ。
すると由香はハーッと溜め息をついた。
「甘い、甘い考えよ亮!“まだ二十分前だから大丈夫”って考えちゃ駄目よ!もし人身事故か何かで学校に遅刻したらどうするつもりなのよ!」
駅員に遅延書を貰えばいい話じゃねえか。それだったら遅刻には何ねえだろ。
「話の途中失礼だけど。」と裕二が得意の話の割り込みをしやがった。
「なんだ。」
「もうそろそろ行こう。ここで口論になるとややこしいことになるから。」
と俺は駅員がこっちをじっと見ていた事に気づいた。
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