バンド再結成?

7/12
前へ
/68ページ
次へ
俺はそのショートヘアーの女子に声を掛けた。 「よお、どうした、忘れ物か?」 すると女子はムッとした表情になり。 「違うわよ。アンタと裕二君を待っていたのよ。」 残念だが裕二は用事があって先に帰ったぜ部長殿。 「へぇーそうなの?じゃあ帰ろ。」 と由香は学校前の道を早歩きで歩き始めた。 そして、私鉄の列車に乗っていると由香が唐突に話してきた。 「どう?バンド」 俺は立ったまま睡魔と戦闘中なのでテキトーに答えることにした。 「ボチボチかな。」 「ふーん、それでさボーカルの女子足らないんでしょ?」 「ああ…そうなんだよなあ…田口が俺達に押し付けてよ……。」 俺はハッと重いまぶたを無理矢理開き、隣に立っている由香に顔を見た。 由香も俺の顔を見てた。 「なんでお前が知ってる!?これは俺と裕二と田口しか知らないはずだ、たとえ裕二が話している訳がないし第一、裕二は先に帰ってお前と会ってはずだ。信じたくないが、まさか俺の心の中を見たのか? 「馬鹿じゃないの。」と由香は軽蔑的な目で俺を見た。 「違うわよ、アタイがアンタ達の部室に行ったの。」 だがお前、部室に入ってねえだろ? 「…まさかドアに耳あてて盗み聞きでもしていたのか?」「そうよ」 由香はスラっと答えた。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加