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お前、盗み聞きは犯罪だぞ。
「いいじゃん、別に偵察に来た訳じゃないし、それにアタイが入って来たら集中力が切れちゃうでしょ?」
確かにな、お前が入って来たら集中力が切れる上にヤル気が失せるからな、と言いたかったが本当に言ったら例え車内だろうと俺にツイストコブラを仕掛け兼ねないからやめた。
「まぁな、それがどうした。」
と由香に質問をした。女子のボーカルがいない事に食い付いてくるなんて、なんか嫌な予感がする。
「何だったらアタイがやろうか、ボーカル。」
案の定!やっぱり来た!
「失礼な事を言うがよお、お前、歌えるのか?」
すると由香はキョトンとした表情になったが今度は慣れているのか眉を吊り上げた。
「アンタ、馬鹿にしてるの?こう見えてもアタイは音楽は優秀だったんだから。」
どうせアレだろ“大きな声で歌えました”からだろ。
「もちろんそうだけど、ちゃんと歌えるわよ。」
「分かった。」
と俺は区切った。
まあ明日歌わせてハイ残念でしたって言えばいいか。
「一応、田口に言ってみる。そんときに連絡するから。」
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