バンド再結成?

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田口は楽譜三冊を由香に渡し、由香は楽譜にじっくり目を通していた。 「お前、楽譜読めるのか?」と俺は言うと。 「馬鹿にしないで、アタイだって少しは読めるわよ。」と顔を向けず由香は楽譜と凝視していた。 俺は由香から離れ裕二の隣に立った。 「どうした?」と裕二は腕を組んで言った。 「キーボードにいる女子って田口が言っていた女子か?」 と俺はやや小さい声で言った。 「ああ、そうらしいよ。」と裕二も小さい声で言った。 「本当は由香先輩みたいな男勝りな人かなあと思ったが、そうでも無いみたいだな。」と裕二は自分の考えを言った。 「なるほどねー。」とどうやら由香は楽譜を読み終わったらしく、楽譜を持っていない手で自分の顎をなぞっていた。 「まあまあね、でも歌ってみれば色々と分かるわ。」と由香は作詞家みたいな感想を言った。 そして俺はギターを持ってチューニング(調整)をした。田口と裕二も自分の配置場所にいた。 由香を中心として裕二は後ろ田口は左側で俺は右側、そしてキーボードの女子は俺の後とそういう配置になった。 すると田口が。 「それじゃあ、腕慣らしと先輩の歌声を聞きたいのでよろしくお願いします。」
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